健康機能に注目が集まっているトマト。
トマトに含まれるリコピンが生活習慣病予防や老化抑制効果があったり、ビタミンE、ビタミンC、カリウムといった健康に必要な栄養素がバランスよく入っていたりと、注目されている野菜のひとつです。
そんな栄養満点のトマト。
栄養だけでなく、トマトのこともしっかり知りましょう☺
Contents
トマトのはじまり
農林水産省によると、トマトが日本(長崎県)に渡来されたのは1670年頃。
1670年頃は日本は江戸時代前期。
・1669年シャクシャインの戦い(松前藩vsアイヌ)
・1680年五代綱吉の将軍就任
といった時代です。
当時の外来植物と同じように、トマトも薬用や観賞用であったと推測されています。
明治時代にアメリカから「トマトは野菜」と紹介され、食用に転じたといわれています。
日本でトマトの需要が伸びたのは、第二次世界大戦後。
生活の欧米化や品種改良、ビニールハウスでの栽培の周年化によるところが大きいとされています。
トマトの原産地は南アメリカのアンデス山脈といわれています。
いまでもアンデス山脈には自生している野生種が見られ、ミニトマトに似た小さな実をつけています。
その後、野生種が鳥や動物によってメキシコに運ばれ、メキシコで栽培されたことにより、食用となりました。
16世紀に、ジャガイモとともに、スペイン人たちにより南ヨーロッパに持ち帰られたといわれています。
しかし、伝わった当時は毒があると思われており、観賞用での栽培でした。
19世紀にやっと食用として広く栽培され始めたそうですが、今ではトマトなしでは語れない郷土料理もたくさんありますよね。
トマトの語源
トマトの語源はアステカ語”トマトゥル(tomatl)”からきているといわれています。
トマトゥルは「膨らむ果実」を意味しています。
トマトゥルは「ホオズキ」を指す言葉であり、アステカ地方ではホオズキを料理に使っていたことから形が似ていたトマトも同じ名前で呼ばれたそうです。
トマトの学名はSolanum lycopersicum”ソラナム・リコペルシコン”
日本語に訳すと「食べられる狼の桃」
フランスではトマトのことをPomodoro(ポモドーロ)‐黄金のりんごと呼んでいます。
日本での現在の和名としては赤茄子が有名です。
ナス科の野菜であることから、赤い茄子で赤茄子と呼ばれていますね。
日本での文献での登場でもっとも古いのは江戸前期の儒学者・貝原益軒の1709年に書いた『大和本草』
そこでは唐柿と書かれています。
さまざまな果実に例えられてきた歴史があります。
トマトの種類
トマトの種類は2種類
赤色系トマトと桃色系トマトです。
赤色系、桃色系といっても色で分類しているのではなく、皮や香りでの分類となります。
赤色系 | 桃色系 | |
皮 | 色あり。厚い。 | 無色透明。薄い。 |
香り | 強い | 弱い |
味 | 酸味強い | 甘味。クセが少ない |
煮崩れがしにくい。 加工用、料理用に多い |
そのまま食べることに向いている |
日本ではトマトを生で食べることが多いため、桃色系トマトが多く出回っています。
赤色系トマトは加工用(ケチャップやトマトジュースなど)に使用されることが多いです。
日本ではトマトを生で食べることも多いですが、世界的にみると生で食べる国は少数といわれています。
他の国ではトマトは料理の材料として使われることが多いため、赤色系トマトが多く出回っています。
トマトの産地
トマトは各地で栽培されていますが、その中でも最も多く栽培しているのが熊本県です。
その他、北海道、茨城、愛知と続いています。
トマトの旬
ビニールハウスや温室の広がりにより、通年市場に出回っているトマト。
その中でも露地栽培(屋外の畑での栽培)の旬は6〜8月の夏です。
夏野菜と言われて思い出すトマトらしい時期です。
しかし、実はトマトは高温多湿には向いていません。
そのため、真夏のトマトよりも春から初夏と秋が味的にはベストと言われています。
乾燥した気候と日光の中でトマトは糖度をあげ、栄養価も高くなっていきます。
トマトは野菜?果物?
「スイカは野菜?果物?」「イチゴは?」「メロンは?」などデザートに使われる果実たちは果物野菜論争に名が挙がります。
実は以前はトマトもここに名があがっていました。
1790年代、アメリカでは果物には関税がかからず、野菜には関税がかかっていました。
トマトの輸入業者は関税がかからないよう”果物である”と主張。
一方、農務省の役人は”野菜である”と主張。
どちらも一歩も譲らず、最高裁判所まで果物野菜論争は続きました。
判決の結果、”トマトは野菜”と決まりました。
判決文には「トマトやキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」と書かれていたそうです。
フルーツトマト?
トマトの品種は世界を見ると何千種類もあるといわれています。
日本の中でも、かなりの数の品種が栽培されています。
日本の有名どころのトマトの品種といえば、”桃太郎トマト”でしょうか。
日本の市場の約7割がこの桃太郎トマトシリーズであるともいわれています。
そんな中で、「フルーツトマト」と呼ばれるトマトを目にしたことがある方も多いと思います。
この「フルーツトマト」は品種ではなく、トマトの総称。
栽培方法のひとつだと考えてもらえればよいかと思います。
「フルーツトマト」と呼ばれるトマトは、普通のトマトよりも糖度を高めたトマトの総称です。
トマトの糖度と大きさには相関関係が見られ、小ぶりの方が糖度が高くなります。
トマトの中の水分量を抑え、完熟させることで糖度を高め、フルーツトマトとして出荷されます。
一般的なトマトの糖度は4~5度程度ですが、フルーツトマトの中には果物並みの10度以上のものもあります。
トマトの栄養
「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあります。
これは、トマトが実る季節には病気になる人が少なく、患者がいなくて医者が青ざめるという意味です。
スーパーフードなトマト、その栄養素を見ていきましょう。
ビタミンC
風邪をひきにくくするビタミンC、トマトには豊富に含まれています。
また、体内で抗ストレスホルモンを合成するのにも、ビタミンCはかかせません。
リコピン
トマトの赤色はリコピン!
カロテノイドと呼ばれる栄養の一種です。
体の老化や生活習慣病に基といわれる活性酵素を除去する効果のことを抗酸化作用といいますが、リコピンはこの抗酸化作用をもっています。
そのため、リコピンを大量に含むトマトは動脈硬化や高血圧といった生活習慣病や、老化、ガンの予防に期待されています。
β-カロテン
リコピンと同じく、カロテノイドと呼ばれる栄養の一種であるβ-カロテン。
β-カロテンはトマトの皮の黄色の色素に含まれています。
抗発ガン作用や髪の健康維持、視力維持や粘膜、皮膚の健康維持といった効果があるといわれています。
他にもトマトには、脂肪を燃焼させやすくする遺伝子を増やす栄養や脂肪を吸収しにくくする働きももっています。
また、含まれるクエン酸には脂肪燃焼を助ける効果が、食物繊維であるペクチンには整腸作用、老廃物を体内に排出する効果も期待されています。
多くの栄養素をもつトマトは、スーパーフードといえるでしょう
【おわりに】
スーパーで一般的に買えるトマトから、限定生産の高級トマトまで、
たくさんのトマトにあふれています。
品種によって、酸味の強さや甘みの強さ、皮の厚みや水分量に差がありますので自分のお気に入りのトマトを見つけてみてください!
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