神様

【スサノオノミコト(須佐之男命)とは】ヤマタノオロチで有名なあの人

日本では昔から八百万(やおよろず)の神様がいるといわれてきました。

800万柱の神様(“柱”は神様を数える単位)がいるというわけではなく、「とてもたくさんの」という意味。

 

日本にいるたくさんの神様たちは、さまざまな個性や能力をそれぞれがもっていて、わたしたちはその神様自身の特化した能力を頼りに神社を訪れています。ご利益をもらいに行っているのです。

 

今回は、アマテラスオオミカミ(天照大神)の弟スサノオノミコト(須佐之男命)の紹介です。

Contents

 

 

【スサノオノミコトって?】

 

健康 厄除け 病気平癒 五穀豊穣 縁結び 家内安全 など

 

漢字表記:須佐之男命、素戔嗚尊、建速(タケハヤ)須佐之男命

 

別名:牛頭天王(ごずてんのう)、武塔天神(むとうてんじん)

 

出生
「日本書紀」イザナギノミコトとイザナミノミコト夫妻が生んだ

「古事記」イザナギノミコトが単独で生んだ

「古事記」によると、父(イザナギノミコト)が死んでしまった母(イザナミノミコト)を黄泉の国まで追いかけ、再び戻ってきたときに、死者の穢れを落とすために禊をした際に鼻から生まれたとされています。

 

 

どんな神様?

 

姉は太陽神アマテラスオオミカミと、夜を司る神ツクヨミノミコト。

スサノオノミコトも海を治めるよう、父(イザナギノミコト)に命じられていました。

しかし、泣きわめき断り続けます。理由は“お母さんに会いたいから”。父、大激怒。

 

この話からでしょうか、頼りないマザコンな神様というイメージも…

 

とてつもない怪力の持ち主で、泣きわめくだけで世界を破滅させるほどの力、少し急いだだけで天地は地震が起きたような地鳴りがしたともいわれています。

 

神様ですが、人間と結婚をし、幸せに暮らしたという話も残っています。奥様への愛をつづった和歌も以下に示してあります。

 

また、国造りで有名なオオクニヌシノミコト(大国主命)の祖先にあたります。

 

 

 

スサノオノミコトのエピソード

 

勘違いした姉の誤解を解くために占いで解決?!

姉(アマテラスオオミカミ)に会いに来ただけなのに、攻め込んできたと勘違いされてしまったスサノオノミコト。

 

姉の誤解を解くために、どうしたらいいものか…

スサノオノミコトは誓約(うけい)という占いのようなものを提案し、自身の潔白を証明しようとします。

 

メモ

〔誓約とは??〕

 あらかじめ約束した通りの結果が出るかどうかでその思いを証明しようというもの。 この場合は、自らが持っていた物を割ることで、神様を生ませ、その神様をみることで心の状態をみるということで行われました。

 

スサノオノミコトは姉の勾玉をかみ砕き、その息から5柱の神様が

姉はスサノオノミコトの剣をかみ砕き、その息から3柱の女神(宗像三女神)

 

スサノオノミコトは「こんな美しい女神が生まれたということは、戦う気持ちはない」と姉を納得させることができました。

 

 

かみ砕く前に勾玉と剣は天の眞名井と呼ばれる水で清められました。

この眞名井の水から汲んできたとされる水が由来のスポットは各地にあります。そのうちのひとつが京都府北部の眞名井神社です。

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☝上記の記事で眞名井神社のことが紹介されています!

 

ちなみに、ここでスサノオノミコトの剣から生まれた宗像三姉妹は航海安全、交通安全の神様で祀られているのは世界遺産である沖ノ島の宗像大社です。

 

 

やんちゃ君も、力の使い方が分かればヒーローに?!

やんちゃが過ぎて神々の住む高天原(たかまがはら)を追放になってしまったスサノオノミコト。

やんちゃ過ぎた事件はアマテラスオオミカミの天の岩戸事件です)

 

追放され、出雲の国(今の島根県)へと降り立ちました。

 

そこでスサノオノミコトは老夫婦とその娘(クシナダヒメ)と出会います。3人はクシナダヒメがヤマタノオロチの生贄として出ていくことになったことで大変嘆いていました。

 

スサノオノミコトは娘に一目ぼれ。嫁がせてくれるなら、とヤマタノオロチ退治を約束します。

 

老夫婦に強い酒を準備させ、ヤマタノオロチが酔っ払ったところで持っていた剣で刻み始めました。そして、刃が尻尾に達し切り開くと、中から見事な太刀が出てきました。この刀が後に草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれる皇室の三種の神器のひとつです。

 

力の使い方が分からなくて高天原では他の神々に迷惑ばかりかけていたスサノオノミコトですが、自分の力を上手に使いヒーローになったのです。

 

草薙の剣はアマテラスオオミカミに献上され、いまは愛知県名古屋市にある熱田神宮に祀られているといわれています。

 

日本最古の和歌を詠んだのは神様?!

 

さて、ヤマタノオロチを倒し、クシナダヒメを妻に迎えたスサノオノミコトはそのまま出雲の地に2人で暮らすための宮殿を建てます。

 

その土地は須賀(今の雲南市)なのですが、その須賀という地名もスサノオノミコトが大変気に入り、「我が御心すがすがし」といったことで“すが”という地名になったといわれています。

 

スサノオノミコトは須賀の地で雲が立ち上ったのを見て、和歌を詠みました。

 

“” 八雲(やくも)立つ 

    出雲八重垣(いずもやえがき) 

       妻ごみに

         八重垣作る 

           その八重垣を “”

盛んに沸き起こる雲が八重の垣をめぐらしてくれる。新妻を守るために八重垣をめぐらすことよ。あの素晴らしい八重垣よ

 

妻へのあふれんばかりの愛を感じることのできる和歌ですね。

この和歌が最古の和歌であるといわれています。

 

 

病を広めることも鎮めることもできる?!

 神仏習合(奈良~平安時代から始まった神道と仏教の信仰が一つになった宗教の考え方)が進むと、スサノオノミコトと牛頭天王(ごずてんのう)が同一視されるようになりました。

 

牛頭天王は仏教では、祇園精舎の守護神で疫病を司る神様です。

 

そんな疫病を司った話が「備後国風土記(びんごのくにふうどき)」にあります。

 

 スサノオノミコト/牛頭天王が旅先で宿を借りようとしたところ、お金持ちの巨旦将来(こたんしょうらい)は泊まらせてくれませんでした。しかし、その兄である蘇民将来(そみんしょうらい)は貧しいながらも宿を貸してくれ、精いっぱいのおもてなしをしてくれました。

 

 スサノオノミコトは旅先からの帰り道、もてなしてくれた蘇民将来の家には「わたしは神だ。今後災厄を避けるためには“蘇民将来の子孫である”と言って茅の輪をつけなさい。」と進言をします。

するとその日の夜に疫病が流行り、この一家以外の村人は死んでしまいました。

しかし茅の輪を身に着けていた蘇民将来の一家は生き残ったのです。

 

 この茅の輪の伝承を基に、いまでもさまざまな場所でお守りや護符に“蘇民将来子孫之家門”“蘇民将来子孫也”といった文言があります。

 

 また、神社で夏や大晦日に見られる大きな茅の輪。

この茅の輪くぐりも蘇民将来の逸話から来たものです。この茅の輪をくぐることで、自身についた厄を落とすために行われます。

 

 

【祀られている主な場所】

 

須佐神社(島根県出雲市)-日本有数のパワースポット。諸願成就のご利益

八重垣神社(島根県松江市)-クシナダヒメとの思い出の神社。夫婦の仲睦まじい様子から縁結びや安産祈願のご利益

八坂神社(京都府京都市)-京都で7月の一か月間行われる祇園祭はこの八坂神社のお祭り。

 

など、たくさんの場所でスサノオノミコトは祀られています。

 

上記のエピソードからも分かるように、多様な一面をもつスサノオノミコト

ご利益が多岐に渡るのも納得がいきます。

 

 

【おわりに】

 今回はスサノオノミコトについて調べてみました!

 

知れば知るほど楽しいけれど、深みにハマる日本神話の神様たち…!

興味をもたれた方はぜひぜひ調べてみてくださいね!

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おじゃま まか

旅行&キャンプ&雑学好きの2022秋生まれBoyぎーくんのおかあさん! 関西在住、ワーママです。

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