好きな人にはたまらない食材、牡蠣。
「海のミルク」とも呼ばれますね。
なんで“海のミルク”と呼ばれるのでしょう?
なんで牡蠣は食中毒になりやすいのでしょう?
牡蠣の産地は?種類は?旬は?
今回はそんな牡蠣について詳しく紹介していきます!
これを読めばあなたも牡蠣博士になれちゃうかも!
Contents
【海のミルクの由来は?】
牡蠣が“海のミルク”と呼ばれるようになったのは、牡蠣のもつ高い栄養素が由来しています。
ミルク(牛乳)が完全栄養食品であるように、牡蠣も完全栄養食です。
タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン等、たくさんの栄養素がまんべんなく、バランスよく入っているのです。
参考
含まれている栄養素について、とっても簡単に
✔ グリコーゲン -筋肉の収縮のためのエネルギー源。
✔ 必須アミノ酸 -人が体内で作ることのできない栄養素。
✔ ビタミンB1 -糖質を燃やし、エネルギーに変えるビタミン
✔ ビタミンB2 -成長促進に関わる栄養素。
✔ ビタミンB12 -神経および血液細胞を健康に保つ栄養素。
✔ タウリン -身体のバランスを戻す働きをもつ栄養素。
✔ 亜鉛 -味覚を正常に保つ効果。皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素。
(亜鉛について詳しくはコチラ。※外部サイトにとびます)
などなど……
免疫力アップや健康増進、疲労回復、美肌、生活習慣病の予防効果にも期待できる食材なんです!
栄養素だけでなく、身の色が牛乳のように白いというのもミルクと呼ばれる理由なのようです。
このように“海のミルク”と呼ばれるのは真牡蠣(マガキ)と呼ばれる種類で、岩牡蠣は“海のチーズ”と呼ばれています。
真牡蠣と岩牡蠣、それぞれの種類に関しての詳しい説明は以下をご覧ください。
真牡蠣を“海のミルク”と呼ぶように、岩牡蠣も同じように栄養価が高く同じ乳製品であることから“海のチーズ”と呼ばれています。
【牡蠣の種類】
牡蠣には「真牡蠣」と「岩牡蠣」があり、この種類の違いは育つ環境と産卵の時期が大きく違います。
真牡蠣
育つ環境は、波打ち際や海岸沿いなどの沿岸部。養殖場も浅瀬に造られています。
成長から産卵までの期間が短いので、比較的小さめなサイズです。
日本で食べられている真牡蠣はほとんどが養殖です。
岩牡蠣
真牡蠣とは反対に、育つ環境は海底の深いところ。
過酷な環境であるために、それに耐えることができるよう、殻が分厚くなったといわれています。
真牡蠣よりも大きく、1個1㎏を超えるものもあります。
磯の香りが強さ、濃厚な味、プリっとした食感。
【牡蠣の旬はいつ?】
真牡蠣
冬が旬です。
10月~5月と出荷されていますが、旬としては1月~2月です。
その時期は体内に美味しさの元となるグリコーゲンが大量に蓄えられています。
大きさは小ぶりながら、味が濃縮され、クリーミーです。
岩牡蠣
夏が旬です。
岩牡蠣は産卵期の数か月、時間をかけてゆっくり産卵するので、水温が高い夏の間でも味が落ちることなく出荷できます。
また、時間をかけて出荷するため、殻と身が非常に大きく育ちます。
味は繊細でジューシーです☺
【牡蠣の産地】
牡蠣の一大産地といえば、広島県のイメージが強いと思いますが、実は日本の各地で生産されています。
〈国内総生産量の約60%を占める 広島〉
広島は牡蠣の総生産量が約60%と全国一!
広島湾は牡蠣養殖に適した環境といわれています。(参考:広島魚連HP)
✔ 穏やかな地形、風波、潮流
島や岬に囲まれ、波が静かで潮の流れも適度にあり、よい条件です。
✔ 牡蠣の生理機能に適した水温変化
夏の水温上昇が散乱に刺激を与え、秋の水温低下がグリコーゲン(美味しさの元)の蓄積をすすめます。
✔ ほどよい塩分濃度
流れ込む川の水の影響で、海水中に塩分濃度の差による層ができます。
牡蠣は少し薄い海水を好むので、牡蠣にとってはおいしい海です。
✔ 豊富なプランクトン(えさ)
かきの大好物のえさがたくさんあるというのは、牡蠣養殖にとって大切な点です。
味はあっさりしています。
〈生食用牡蠣 生産量一位 宮城〉
生食用の牡蠣の生産量が一位なのでが、東北地方 宮城県です。
なぜ宮城の牡蠣が生食用なのかというと、宮城の海、三陸は外洋に向かって海が開けているため、海水が清潔ということが関係しています。
また、川のミネラル豊富な水が流れ込む汽水域でもあり、絶好の漁場といえます。
味は濃厚で、貝柱が大きいのも宮城の牡蠣の特徴です。
〈石川 能登かき〉
塩分濃度が濃い、甘みがたっぷりというクリーミーな特徴をもつ牡蠣です。
この牡蠣の育つ能登は“世界農業遺産”に認定されており、伝統的な水産業であるといえます。
石川では、真牡蠣も岩牡蠣も、どちらも楽しむことができます。
〈海女さんが獲る 三重の牡蠣〉
三重の鳥羽・志摩地方は全国の海女さんの約半数がおり、牡蠣漁にも最適な海です。
→→→海女さんたちのヒミツのお守り?!【セーマンドーマン】海女さんたちの守護まもり。一体なに?詳しくご紹介!
山から流れる3本の川が豊富なプランクトンを運び、湾内は波も静かで牡蠣の養殖に向いている場所です。
オイスターロード周辺には、たくさんの牡蠣小屋が立ち並び、”牡蠣食べ放題”も行われています。
↓筆者が三重で楽しんだ焼牡蠣&蒸牡蠣の食べ放題
他にも、岡山、九州地方(福岡、長崎、佐賀、大分)、四国地方(島根、香川、)、寒冷地(北海道、岩手、新潟)、中央部(静岡、京都、兵庫)といった
日本のさまざまな地で作られています。
【牡蠣にあたる…】
西洋では「Rのつかない月のものは食べるな」
日本では「花見過ぎたら牡蠣食うな」
とあります。
夏の海は細菌汚染がひどくなるので、中毒が起こりやすいといわれています。
また、牡蠣は1時間に20mlの海水を飲み込み、プランクトンを食べています。
その際に海水中の細菌も同時に食べているため、有毒なものも食べてしまっているのです。
しかし、岩牡蠣の旬は夏であり、また、牡蠣の養殖技術も発達していることから、あたることに季節はあまり関係なくなってきています。
【おわりに】
牡蠣は岩場にくっつき動かないため、筋肉が退化して貝の中身のほとんどが内臓という生き物。
不思議な生き物ですね…
筆者は幼い頃は牡蠣が苦手であまり食べることもありませんでした。
(牡蠣フライとか、絶対注文しなかったなぁ…)
しかし、そんな筆者の考えを変えたのは“岩牡蠣”を食べてから!
今までは焼牡蠣しか食べたことがなく、もぐもぐもぐという食感しか味わったことがありませんでした。
生で岩牡蠣を食べたときの、チュルンとした食感は驚きでした…
牡蠣は他の貝に比べ、あたりやすい食材ともいわれていますので、生を食べる際には衛生管理のきちんとされた牡蠣を食べるようにしてくださいね!
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