「お遍路」ってよく聞くけど、一体なんなんでしょうか?
「同行二人」といったお遍路に関係するであろう言葉も聞いたことはあるけど…
どういう意味なんだろう?
四国八十八か所巡りって、そんなに歩いて回るの?
と疑問もいっぱいです。
今回はそんな謎多き、でも気になるお遍路について調べてみました!
Contents
【お遍路とは?】
「お遍路さん」と呼ばれることも多く、「お遍路」と省略されることが多いですが、正式には「遍路(四国遍路)」です。
・遍路ってなに?なんのためにするの?
四国八十八ヶ所霊場を巡礼することが遍路です。
この八十八ヶ所霊場は、弘法大師・空海が四国内の八十八ケ所の寺院などを選び、開創された場であると伝えられています。かの大師と同じ道を歩み修行をすることで、悟りを求めたそうです。たくさんの修行僧が集まりました。
いまのように、一般の人たちに広がったのは江戸時代中期。信仰が拡がるにつれて、民衆も集まり、修行を行うようになったといわれています。
空海の理想は、人々が幸せであり、繁栄すること。わたしたちが自らの能力、才能を十分に生かしきる生き方を目指し、努力することを勧めていました。その空海の足跡を辿ることが遍路と考えると、オリジナルな本当の自分と向き合うきっかけとなるものと考えることができますね。
遍路は心の変革を求める行為でもあります。特別に深く考えなくても、霊場を巡っていくうちに自然と心の変革がされていくともいわれています。
【なぜ“八十八”という数字になったの?】
この数字になった説はいくつもあり、
・男性の厄年42+女性の厄年33+子どもの厄年13
・米という文字の分解
・八十八が無数を表す
など、さまざまな説がいわれています。
【どんな方法で回るの?】
歩いてひとつひとつの霊場を回っていくイメージが強いと思いますが、いまは団体バスツアーでの遍路が大半を占めています。自家用車で回る方もいれば、公共交通機関で回る方、タクシーで回る方も。遍路をする、という気持ちの問題なんですね。
一度に回りきることもありません。
区切り打ちといって、八十八ヶ所を何回かに分ける巡拝方法があります。前回の最後にお参りした霊場を次回のスタート地点とするのが原則です。
一方、一度に回りきることを通し打ちといいます。とても大変な方法ですが、達成感はひとしおです。
【関係する言葉の意味?】
〇同行二人(どうぎょうににん)
遍路修行をしているときは、常に2人(個人対空海)であるという意味の言葉です。
複数人で遍路修行をしていても、その修行の心は空海と自分自身、2人であるということです。遍路のときに使用する道具、金剛杖が空海そのものとされています。
〇お砂踏み(おすなふみ)
霊場各札所の「お砂」をすべて集め、その「お砂」を各札所そのものであると考え、「お砂」を踏みながらお参りすることです。
ご利益は実際に遍路をしたことと同じであるといわれています。
【どんな持ち物がいるの?】
基本は白装束です。少し略される方は、洋服の上に白衣と輪袈裟(わげさ)、白い靴でもよいとされています。
袈裟、金剛杖、念珠、納経帳も必ず持ちます。
・網代傘(あじろがさ)、菅笠(すげがさ)
日光や雨風から頭部を守るもの。傘には「心が迷っているうちはこの世がまるで城壁で囲まれた城の中にいるようなものなので、どこに行っても壁にぶつかる。悟りを開くと、自分の心を含めた宇宙全体が何ものに遮られることなく、全てが真理そのものであることが分かる。」という意味の言葉と、梵字、同行二人という文字が書いてあります。
・白衣(はくえ)
浄土に旅立つとき導いていただくために、また、浄土への通行証でもあります。
・金剛杖(こんごうつえ)
道中の歩みを助けてくれる役割とともに、空海そのものとして考えられています。
・袈裟(けさ)、輪袈裟(わげさ)
仏様をお参りする際は法衣である袈裟を着用します。
・念珠、数珠
袈裟同様。仏さまをお参りする際は必ず持ちます
・経本・納経帳
各札所の本尊と空海にお経を奉納することが遍路です。お経を奉納した証として、納経帳に御朱印をいただきます。
・納札(おさめふだ)
各霊場をお参りした時に、お参りした証として納める札です。
【おわりに】
いかがでしたか?
区切り打ちという方法で回ってもよいということで、筆者のお遍路へのハードルはグンと下がりました!
自分探しのためにも、挑戦してみるのも人生の糧になりそうです。
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